

現在、当方で相続土地国庫帰属制度の申請支援を行っている案件のひとつで、傾斜地に生えている大木の伐採作業が始まりました。
現地を見た瞬間、正直なところ私は驚きました。
樹齢100年を超えていると思われる巨大な木が、急斜面の中腹に立っていたからです。
今回、境界測量を行った結果、この大木は申請対象地の中に存在していることが判明。
しかも、長年の成長によって幹や枝がお隣の敷地側まで広がり、落葉などの影響も出ていました。
さらに、法務局の実地調査では
「倒木のおそれがある」
と判断されました。
まだ国庫帰属制度の最終的な承認結果は出ていませんが、審査上、この大木の伐採は必要との整理になっています。
もしこの木が台風や豪雨で倒れれば、隣家へ重大な被害が生じる可能性も十分考えられる状況でした。
「どうやって切るのだろう…」という現場でした
本日から伐採作業が始まるとのことで、私も現地確認に行ってきました。
しかし最初は、
「こんな場所の木を、どうやって切るのだろう…」
と、まったく想像がつきませんでした。
すると現場では、“空師(そらし)”と呼ばれる専門職人の方が、命綱をつけながら木に登り、驚くほど手際よく枝や幹を切っていきます。
切った枝や幹がお隣の敷地へ落ちないよう、地上の作業員の方がロープで細かくコントロール。
さらに、切り分けた幹をクレーンで吊り上げ、トラックへ積み込んでいきます。
まさに職人技でした。
「放置し続けるリスク」は、実際に存在します
今回は、申請人(所有者)の方が
「このまま放置するのは危険かもしれない」
と真剣に向き合ってくださったことで、ここまで進めることができました。
一方で、私は相続土地国庫帰属制度の実務を通して、長年放置された土地を数多く見てきました。
その中には、
・隣地へ木が越境している
・倒木の危険がある
・草木が周囲に悪影響を与えている
・境界がわからなくなっている
といったケースも少なくありません。
もちろん、多くの方は「好きで所有した土地ではない」という事情があります。
特に遠方に住んでいる場合、現地の状況を把握すること自体が難しいことも理解しています。
ただ、土地は放置していても、少しずつ周囲へ影響を与えていくことがあります。
「まだ大丈夫」
と思っていた土地が、ある日突然、近隣トラブルや大きな費用負担につながることもあります。
今回の現場を見ながら、改めて
“問題が大きくなる前に、一度現地を確認することの大切さ”
を強く感じました。